ここでは、ドライバー選びにおけるシャフトの重要性と、シャフトが持つ役割などについて解説しています。
ドライバーにとって、ボールへパワーを伝えるのがヘッドの役割であるとするならば、シャフトにはスウィングによってうまれる「しなり」によってヘッドにパワーを伝えることはもちろん、いかにヘッドスピードを上げるか、ボールに対してフェイス面をいかに正確に当てるかという役割があります。より遠くへ飛ばすためには、余すことなくパワーを伝えるスウィングが欠かせません。そのスウィングを決めるのが、シャフトの役割なのです。
シャフトの硬さ(フレックス)には、L(レディース)、A(アベレージ)、R(レギュラー)、S(スティッフ)、X(エキストラ)の 5種類、もしくはSR(スティッフレギュラー)を加えた6種類があり、Xが最も力のある方向きとされています。
シャフトの硬さは、スウィングした際のヘッド側の振動回数によって決まりますが、その数値基準については特に統一されていません。そのため、同じ表記でも、メーカーやモデルによって異なっており、表記はあくまで目安として、自分のスウィングにあったシャフトを選ぶ必要があります。
ドライバーをスウィングした際のシャフトのしなりは、飛距離とタイミングに影響します。シャフトが柔らかいとより大きなしなりが生まれ、飛距離が伸びる上、ヘッドが振り子のように動くことで間ができ、タイミングがとりやすくなります。ただし、タイミングが外れてしまうとその分ブレが大きくなり、大きく曲がってしまう可能性があります。
一方、硬いシャフトはしなりが小さいため、パワーがないと飛距離がさほど伸びませんが、操作が容易になりミートしやすくなります。さらに打点が多少ずれても、曲がり幅はそれほど大きくならないというメリットもあります。
当然ながら、飛距離やタイミングはシャフトの硬さだけに依存するものではなく、シャフトの重さやトルクといわれるシャフトのねじれ、さらに組み合わせるヘッドによって変わってきますので、自分のスウィングとの相性が最も大事といえるでしょう。
最近では、純正のシャフトをシャフトメーカーが設計したカスタムシャフトに交換する方が増えてきています。純正シャフトは、いわば万人向きに作られており、クセがなく振りやすい設計になっています。大量生産できるので、価格が安いこともメリットといえるでしょう。
では、カスタムシャフトを使うメリットは何かというと、まずリシャフトすることで好きな重さや硬さを選べること。さらに、ヘッドに近い部分がしなる「先調子」、シャフトの中間部分がしなる「中調子」、グリップ寄りにしなるポイントがある「元調子」といったようなしなりについても、好みに合わせて細かく調整できます。
中でも一番大きな違いは、シャフトメーカーが作ったシャフトには純正にはないメーカー毎の特性があり、様々な特性の中から自分のスウィングに合ったシャフトが見つかれば、より振りやすいドライバーを手にすることができます。
特性という意味では、地クラブメーカーによるカスタムシャフトも多くのゴルファーに利用されています。一般的なシャフトは「硬い=重い」「柔らかい=軽い」ものですが、地クラブメーカーのシャフトには「軽くて硬い」「重くて柔らかい」といったものもあります。また、大量生産とは違って性能のブレも起きづらいため、扱いやすさも大きなメリットです。今使っているシャフトの交換を検討しているのであれば、一度地クラブメーカーのシャフトを使ってみてはいかがでしょうか。
HSやHCの違う三人のプレイヤーそれぞれが、3本ドライバーを実際に試打してみました。